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2010.07.07

【社労士】国年法・厚年法 > 年金制度/生命保険金二重課税問題(20100707)

生命保険金の二重課税、誤徴収救済に「時効5年の壁」 2010/ 7/ 7 asahi.com

 相続税の対象になった生命保険金の年金部分に、所得税も課すのは「二重課税で違法」とする判決が6日、最高裁で言い渡された。これまで生命保険金を年金で受け取った人は、同じように誤って所得税が徴収された可能性があり、それを国がどう返還するかが焦点になる。税法上は5年という「時効の壁」があるため、2004年以前の分まで返すとすれば新たな救済措置が必要になりそうだ。
 保険金の所得税は保険会社が源泉徴収しているため、裁判では、返還を求める相手が国なのか、実際に徴収した保険会社なのかも争われた。最高裁は「徴収自体は適法だった」と述べ、納税者が確定申告などで国税当局から直接取り戻せると判断した。

 ■「更正」請求が必要
 国税関係者によると、同様の形で源泉徴収された保険金の所得税については、確定申告すれば各種の控除により還付されることが多いため、すでに申告、還付済みの事例もあるとみられる。ただ、保険金が相続財産とされて所得ではなくなることにより、他の所得との関係で税率が下がるなどして、新たに還付金が発生するケースもありうる。
 その場合は、いったん決まった税額を減らす「更正」の手続きが必要になる。今回の判決に伴って国税庁が課税実務の変更をホームページなどで公表した後、納税者は2カ月以内に更正を請求する。国税当局が内容を確認した上で来年3月中旬までに更正処分を出せば、05年分までは取り戻せる可能性がある。
 国税庁の対応が決まれば、各地の税務署が納税者の相談に応じる。

 ■国の過失、証明困難
 ただ、判決で税法解釈が変更された場合でも、現在の税法では、国に納めた税金は5年前の分までしか返してもらえない。しかし、生命保険金の年金部分に所得税を課す実務は1960年代には定着していたとされ、04年以前にもかなりのケースで誤徴収されていたのは間違いない。保険金を年金で受け取る保険契約は最大手の日本生命保険だけで07年当時200万件以上あり、5千件以上が年金方式で保険金を受け取っていた。
04年以前に誤徴収された人を救済する手段はないのか。青山学院大の三木義一教授(租税法)によると、納税者が保険会社に対し、「源泉徴収分は本来受け取れたはず」として支払いを求める民事訴訟を起こして勝訴すれば、過去10年分までは取り戻せる可能性がある。また、国側の過失による損害賠償請求が認められると、最長で20年分さかのぼる余地もあるという。
 だが、原告側代理人の山内良輝弁護士は「長年、正しいとされてきた課税実務なので、国側の過失を証明するのは難しい。特別立法による救済が必要ではないか」と指摘している。

年金型生保:「二重課税」還付の動き拡大も 2010/ 7/ 6 毎日jp

 年金払い型の生命保険に所得税と相続税をかけるのは二重課税だと争った裁判で、最高裁は6日、40年以上続いてきた課税実務を覆し、原告の主張を認めた。国は今後、「過払い税金」ともいえる取りすぎた税金への対応を迫られることになる。還付対象となる二重課税は数万件以上に上る見通しで、課税見直しの対象は、他の金融商品に広がる可能性もあり、影響の大きさは予測できない。
 「どのくらい、還付を求められるのか、現段階では予測もつかない」。国が逆転敗訴した今回の判決を受けて、国税庁の職員はこう話した。
 争点となったのは、年金払いの保険金に対する課税のあり方。原告の女性は、夫の死亡で10年間に毎年230万円ずつ年金を受け取る受給権を得た。総額2300万円のうち6割がこの時点での価値とみなされ、相続税の対象になった。さらに国は、毎年受給する230万円も、掛け金分などの控除を除き、所得税の対象とした。判決は、1回目の支給分にかかった所得税を「違法な二重課税に当たる」と判断した。総額の4割については、2回目以降の支払い時に所得税の課税対象となる見通しだ。
 二重課税で払いすぎとなった税金は、還付対象になるが、原告と同様に課税されてきた受給者が還付を受ける場合、税務署への請求が必要だ。ただ、国税庁が過去、訴訟結果を受けて法解釈を改め、還付対象の例を公表したケースでは、判決確定から1カ月~2カ月半かかっている。
 また、還付対象は国税通則法で申告期限から5年を超えない所得税に限られるが、関係者の間では「国の判断の誤りだったため、5年より延びる可能性もある」との声も上がる。
 判決を受け還付対象になる可能性が高いのは、遺族が保険金を年金形式で定期的に受け取る個人年金保険や、保険金を年金形式に変更したケース。既に支払いが始まっていた年金保険を相続した場合も対象になりそうだ。  また、定期預金や株式など将来にわたる利益を時価評価して相続税がかかる金融資産でも、今回の判決が影響を与える可能性がある。

 ◇生保各社、膨大な作業懸念
 生保各社は6日から、契約者の問い合わせ増加に備え、商品説明のマニュアル変更やコールセンターでの想定問答を作成するなど、対応に追われた。「二重課税」と認定される商品の対象範囲や還付方法などの詳細は国税庁の判断が出なければ決められず「どこまで影響が広がるのか、どこまで対応すればよいのかわからない」と頭を抱えている。
 取り過ぎた税金の還付を国が直接行う場合、各社は対象となる契約者の情報を国に提供するだけで足りる。しかし、国が各社に対象者の絞り込みや還付手続きを行うよう求めた場合、コンピューターシステムの変更など膨大な作業が必要となる。これら事務手続きにかかわる費用を誰が負担するのかも不明確だ。業界内からは「国の決まりに従って代わりに税金を徴収しただけなのに……」(大手生保幹部)とぼやく声もあがるが、過去、保険金の不払い問題で契約者の不信を買った経緯もある。契約者への通知や対応を怠るわけにはいかず、対応に苦慮している。
 約3400件の年金払いの契約者を確認しているという日本生命保険の岡本国衛社長は6日、「業界全体の問題だ。混乱が起きないよう対応したい」と話した。

年金課税見直し迫る、返還請求相次ぐ可能性 最高裁判決で 2010/ 7/ 6 日本経済新聞

 年金型保険を相続した遺族への相続税と所得税の課税が「二重課税」で違法とした6日の最高裁判決は、国税当局に年金課税のあり方の見直しを迫った形だ。公的年金に対する不安もあって民間の個人年金商品の人気は高まり、今回の訴訟と同様に保険を相続するケースは多い。今後、支払い済みの所得税の還付請求などの動きが契約者に広がる可能性は高く、国税当局は対応を迫られそうだ。
 国税当局によると、今回の訴訟の対象と同様の保険金年金が所得税の課税対象になったのは1968年とされる。相続財産に当たらないという国税庁の通達が契機となり、国税当局や税理士の間では、死亡保険金年金への所得税課税は長年「常識」とされていた。
 国側が訴訟で提出した資料によると、保険契約者が死亡し、相続した遺族に年金が支払われているケースは、大手生保1社当たり少なくとも数千件。契約数が200万件を超える大手生保もあるという。年金支払いが終了した過去の契約を含めると、返還対象となる契約は1社で数万件に上る可能性もある。
 現行制度では、還付は最長5年までさかのぼることが可能。それより前に年金受領を終えた契約者は請求できないが、国家賠償請求訴訟で「不法行為」が認定されれば、20年前まで救済範囲が拡大する可能性がある。ある大手生保の担当者は「今後の対応は未定。まずは国税当局と相談したい」と困惑している。
 生保の年金型商品は、契約者の死亡時に一括して一時金として受け取るか、年金として受け取るかを選択できるタイプもある。最高裁判決では、今回の訴訟と同様の商品は相続税だけがかかり、年金は所得税の課税対象にならないとの判断を示した。これまでは年金への課税を避けようと一時金を選ぶ人もいたとみられ、今後は年金払いを選ぶ人が増える可能性もある。
 また「二重課税」を巡っては、保険商品以外にも指摘されるケースがある。例えば定期預金の利息などだ。まだ受け取っていない将来の利子分を含めて相続税が課されるのに、実際に利子を受け取る際も所得税が課されるという点では同様のケースという意見もある。
 今回の司法判断は対象となった保険金だけではなく、幅広い金融商品の課税見直しなどに影響が及ぶ可能性がある。原告側税理士は「二重課税が疑われる例は多く、国は対応を急ぐべきだ」と訴える。国税庁の担当者は「判決の影響は大きい。今回と同様に二重課税を指摘する訴訟が出てくるかもしれない」と話している。

最高裁、年金払い生保への二重課税認定…国敗訴 2010/ 7/ 6 YOMIURI ONLINE

 生命保険金を遺族が年金として分割で受け取る場合に、相続税と所得税の両方が課されることが所得税法で禁じられた二重課税に当たるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が6日、最高裁第3小法廷であった。
 那須弘平裁判長は「二重課税に当たり、違法」との初判断を示し、課税は適法とした2審・福岡高裁判決を破棄、所得税の課税処分を取り消した。国側の逆転敗訴が確定した。
 国側の訴訟資料によると、保険金を分割で年金として受け取れるタイプの保険契約は2007年時点で、最大手の日本生命だけで約210万件。既に遺族が年金を受け取ったケースも同社と住友生命の2社で1万3000件超に上る。国税当局は42年間にわたり二重課税を続けており、実務の見直しや徴収した所得税の返還を求められるのは必至だ。
 訴えていたのは長崎市に住む主婦(49)。1、2審判決によると、主婦の夫は、総額2300万円の保険金を10年間に分け、毎年230万円ずつ受け取る特約付きの生命保険を契約。主婦は夫が死亡した02年、生命保険会社から一時金と初年分の年金を受け取った。この年金に対し、相続税に加えて所得税が課せられたため、主婦は「相続財産に所得税は課せないと規定した所得税法に反する」として国税不服審判所に不服を申し立てたが認められず、05年8月に提訴した。
 国側は訴訟で、相続税の課税対象は年金を受け取る「権利」であり、現金で分割払いされる年金には所得税を課しても許されると主張したが、同小法廷は「年金を受け取る権利と、実際に分割払いされる年金とは経済的に同一のもので、所得税を課すことは許されない」と指摘した。
 ただ、相続税の対象額は分割して受け取る期間に応じて決まり、今回のケースでは、年金総額2300万円のうち約6割の1380万円が対象となった。同小法廷は、残りの920万円については二重課税に当たらないと判断した。
 06年11月の1審・長崎地裁は「二重課税に当たる」として違法と判断したが、07年10月の2審・福岡高裁は国側の主張を認めて1審判決を破棄したため、女性が上告していた。
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