【社労士】健康保険法 > 医療制度改革・「産科救急」近く報告書(20090114)
「産科救急」近く報告書 2009/ 1/14 YOMIURI ONLINE
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産科救急の改善を目指した国の報告書が近くまとまる。不足する新生児科医の確保には、計画的な養成が必要だ。【要 約】
◇新生児科医の養成を、大学医局などに任せたままでは増員は難しい。
◇医師の計画配置とともに、専門の看護師らを積極活用することも必要だ。東京都内で昨年10月、脳出血を起こした妊婦が、8病院に緊急搬送の受け入れを断られたあげく、死亡した。2006年には奈良県でも同様の事態が起きている。相次ぐ産科救急医療の問題発覚を受け、厚生労働省は、産科や救急、新生児医療の専門家による有識者会議を設置。会議は昨年12月、〈1〉新生児集中治療室(NICU)を最大1・5倍に増やす〈2〉空きベッドを把握する体制の整備〈3〉搬送先を探すコーディネーターの配置――などを柱とする報告書案を打ち出し、近くまとまる見通しだ。
産科救急でなぜ、新生児科医療が問題になるのか。
緊急搬送される妊婦では、胎児の状態も不安定になる可能性が高い。ところが全国に2000床あるNICUは、どこでも慢性的な不足状態にある。
40歳以上の高齢妊婦の増加や救命技術の進歩によって、NICUが必要な赤ちゃんはこの10年余りで1・5倍に急増。ほとんどは1500グラム未満の未熟児で、入院期間も長くかかる。厚労省が、全国の総合周産期母子医療センターに行った調査で、昨年度72%が「NICUが満床」を理由に母体搬送の受け入れを拒否した経験があると答えた。
神奈川県立こども医療センターでは昨年10月にNICUを15床から21床に増やしたが、それでも常に満床に近い。容体が安定した新生児を別の病院へ移送する取り組みも、すでに限界に来ているという。東京女子医大母子総合医療センターの楠田聡教授は「NICUのある主な施設が3床ずつ増やせば全国で300床前後になる。それぐらいなら、現有勢力で何とかなるが……」と、抜本的には新生児科医の増員が不可欠と訴える。
新生児科医の数は全国で900人余りとされるが、新生児科は医療法で掲示できる診療科ではなく、国でも正確な統計がない。
楠田教授によると、NICUのある全国の大学病院のうち、新生児科が医局として独立しているのは1割程度で、多くは小児科の一部門との位置づけだ。このため若手医師が新生児科医を目指し専門研修を受けるには、小児科の医局を離れ、独自に受け入れ先を探しているのが実情という。
大学医局や個人の医師任せでは、新生児科医の増員は難しい。読売新聞は昨年10月、地域や診療科ごとに定員を設け、計画的に専門医を養成することを提言している。国は必要な新生児科医の数を把握し、計画的な配置を進めるべきだ。
他職種との連携、分担も重要だ。米国では、出生数当たりの全体の新生児科医数は日本とあまり変わらないが、専門研修を受けた診療看護師(ナースプラクティショナー)がNICUで活躍している。その一人で、テネシー州で働くエクランド稚子さんは、「診療看護師が当直や新生児搬送も担い、欠かせない存在になっている」と話す。日本でも看護師らの活用を積極的に図ることが必要だ。
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