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2007.08.05

【社労士:労働統計】労働一般 > 労働経済白書・減る賃金、増す残業、「成果配分見直しを」(20070803)

減る賃金、増す残業 労働経済白書「成果配分見直しを」 2007/ 8/ 3 asahi.com

 戦後最長におよぶ景気回復とは裏腹に、実質賃金は減り、労働時間も延びるなど労働環境が改善されていない実態が、厚生労働省が3日発表した07年版「労働経済の分析」(労働経済白書)でわかった。白書は非正規雇用や成果主義、裁量労働制などの拡大を原因として指摘。業績回復の果実が労働者にも行き渡るよう、新たな成果配分の仕組みが必要だと訴えている。
 今回の白書は、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を主題に分析。賃金面では、80年代や90年代の景気回復期と、02年からの今回の景気回復とで賃金上昇率を比較した。
 今回の景気回復では、景気の谷だった02年第1四半期に比べ、06年第4四半期の賃金は従業員500人以上の大企業でも0.3%増でほぼ横ばい。100~499人の中堅企業では1.2%減、5~29人の小規模企業は5.3%減と、むしろ悪化した。物価上昇率を反映した06年平均の実質賃金は、前年に比べ0.1%減った。
 これに対し、80年代の景気回復は小規模企業のデータがないが、大手や中堅でみると、83年第1四半期からの回復時は賃金が9.1~5.0%上昇。86年第4四半期からの回復期には、18.7~14.1%増えた。93年第4四半期からでは8.4~3.9%増だった。
 一方、06年の労働時間は残業が5年連続で増え、総労働時間は前年比0.5%増の年間1811時間だった。若年層を中心に労働時間が短いパートが増えたものの、働き盛りの30代や40代の正社員に仕事が集中。週60時間以上働く人の割合を96年と比べると、35~39歳が19.6%から21.6%に、40~44歳が16.3%から21.2%に、45~49歳が14.9%から18.3%に上昇した。
 こうした現状について白書は、非正社員の増加や労働組合の組織率の低下などで「経済成長と労働生産性の上昇を労働条件の改善につなげる従来のメカニズムが働きにくくなった」と分析。成果主義賃金や裁量労働制などの導入で「(企業が)労働者が抱える仕事の状況を把握することが難しくなり、結果として特定の人々に長時間労働を集中させる傾向を生み出している」とした。そのうえで、ワークライフバランスの実現には「成果配分のあり方を、一人ひとりの働き方に応じたものへと見直すことが重要だ」と結論づけた。
 【関連記事】「長時間労働増える・労働経済白書骨子案 2007/ 4/13 NIKKEI NET」 / 「若年層の収入格差が拡大・・・労働経済白書 2006/ 8/ 8 YOMIURI ONLINE」 / 「「仕事と生活の調和」推進へ報告書、法制度見直しも提言 2007/ 7/24 YOMIURI ONLINE 」 / 「ワーク・ライフ・バランス推進へ官民トップ会合、年内に指針 2007/ 7/17 NIKKEI NET
 【コメント】雇用情勢に改善が見られるとはいえ、「勤労者家計について、消費は全体として力強さを欠き、教育、住居などの支出項目で所得階層別の格差も拡大している」と格差問題への懸念を載せているのが同白書。その要因として、〈1〉賃金が低い非正規雇用の拡大〈2〉業績・成果主義的な賃金制度の導入による正規雇用の中の賃金格差の拡大〈3〉裁量労働制の拡大などによる長時間労働と短時間労働への二極化の進展を列挙している。成果配分方式が労働組合要求による賃金引き上げで実現できていた今までの状況と異なり、個々人の仕事管理を強いる現在の賃金体制では、このような状況を解消することはなかなかできない。政府が提唱している「ワークライフバランスの推進」はその解消を実現するための一つの策であるが、本白書によれば、その浸透まで時間がかかるようだ。この状況、当分の間続くことは確かと言えよう。。

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